子供+大人=恋?の方程式





 慌てて、階段を駆け下りるものの、圭くんはすでに靴を履いてママに挨拶をしている。


 早すぎるって!





 あたしの声に気づいたらしい圭くんは振り返ってくると、フッと当たり障りのない笑みを浮かべる。


「それじゃ、茅乃。

日曜日な」


「えっ? 

ちょっと、圭くんっ!」





 呼びかけるあたしの声が聞こえてるはずなのに、圭くんは玄関のドアを閉めた。


 それはもう、聞く耳を持たないと言われているようで………





 呼び止めようとした時に、無意識に挙げてしまっていた手を、あたしはがっくりと肩を落とすと同時おろした。


「どうしたの? 

日曜日って、何?」





 がっかりしているあたしを余所に、隣では空気の読めないママが一人、嬉しそうに何度も聞いてきた。





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