ゼロクエスト ~第1部 旅立ち
エドが突然短い悲鳴を上げた。私が足を思いっきり踏んで、その口を封じたのである。

先程の場所からここまでの距離は短い。その間にも洞窟の奥からは、響いている足音が大きくなってきている。今は余計な時間がなかった。

「ということは、スケルトン・キラーがどんな手段を使って出入り口を通っていたのか。現在の私たちには、その方法が全く分からないわけよ。
だからそれを探ってから追いかけてみても、遅くはないんじゃないかしら。
更にその先には当然、魔王が待ち構えていると思うし」

アレックスは私が話をしている間、何かを考え込んでいる様子だったが、話し終わるとそのままおもむろに口を開いた。

「うむ、確かにその考えも一理ある。ここでヤツらを倒したとしても、先へ進む方法が分からぬでは無意味だからな。
よし。では早速隠れて様子を見ようではないか」

アレックスはあっさりと、私の口車に乗ってきた。
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