彼は教育実習生


そんな女の子のキラキラ目線を完全に無視し、担任山チャンは淡々とホームルームを進めようとする。

「じゃ、学級委員の挨拶。工藤、佐伯! ハイ自己紹介!!」 とこっちを向いて振ってきた。

そう、私佐伯マコと隣の工藤サキは学級委員なのだ。好きでやってる訳じゃないけど。

隣のサキがすっと立ち、「工藤サキです。よろしくお願いします」と普通に挨拶した。

やっ、次は私じゃん。坂本先生と目が会う。ドキドキが止まらない。

「佐伯…マコ…です。よろしく…です…」

きっと私の顔は真っ赤だったんだろう。坂本先生はクスッと少し笑って「こちらこそ、お願いします」て言ったんだ。

その後、山チャンが何か説明してたけど、私の頭には全く入らず、ひたすら坂本先生をぼーっと見つめていた。

サキが隣で「分かりやす」て言ってたのも気付かずに…





< 4 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop