彼は教育実習生


それから
坂本先生はすぐにみんなの人気者になった。

昼休みには他のクラスの生徒に捕まる事もあったみたい。

楽しそうに他の生徒とお喋りしてる姿を見ると、胸がぎゅっと苦しくなったりしたけど、もともと恋愛経験値がゼロに等しい私。特に何にも出来ずにいた。それでも毎日学校に行くのが楽しかった。先生の顔を眺めてはドキドキしていた。毎朝の空気さえ、違って思えた。

坂本先生が学校に慣れて来ると、我が担任山チャンは、ここぞとばかり雑用を頼むようになり、学級委員の私たちも自然と手伝うようになった。仕事を通して、坂本先生と私とサキは、どんどん仲良くなっていったんだ。

お喋りで盛り上がる、先生と私たち。学校の雑用時限定だけど、それでも私は幸せだった。





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