意地悪王子とお姫様
「そのね…、なんていうかっ…!女の子とすぐ、ほらっ…あの…」
「遊ぶのやめろって?」
咲貴君が馬鹿にしたように笑って言う。
「…そ、そうっ」
それでも好きだなんて言ったけど、本当にそれでも好きだけど…
やっぱり、嬉しくはないし…。
て、言ってもあたし彼女じゃないし…。
て、言っても
あたし彼女じゃないっ!!!
なに自分は、偉そうなこと言ってるんだ!
焦りに焦りだした、あたし。
「ご、ごめんねっ…!あたし別に咲貴君の彼女じゃなっ…」
「雨芽、妬いてんの?」
は…、い?
きょとんとするあたしを咲貴君は抱き寄せた。
顔がすっごく近くて、少し動いたらキスしちゃいそうだ。