意地悪王子とお姫様



「違いま、す…」


涙が溢れそうなのを必死にこらえる。



「気づいてないだけでしょ?」


「それか、この子付き合ってるとか思い込んでるんじゃない~?」


そう言って、大声で笑う。



なんで関係もない人達に言われなきゃならないの?



「あたしと咲貴君のなにを知ってるんですかっ…?

思い込みとか捨てられるとかっ…なんで先輩達が分かるんですか?」



先輩達の顔が固まる。



「先輩達に何言われても、あたし諦めませんし、別れませんからっ…」


結局は、溢れた涙を拭きながら必死に訴えた。



こんな、ひがむことしかできない人達に負けたくなんかない。


ぐちぐち言うなら、正々堂々と奪ってみればいい。


絶対、そんなことさせないんだから。

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