意地悪王子とお姫様



「2人の時間の時は、咲貴って呼べよ?」


わかった?首を傾げる咲貴君に胸がキュンとなる。



「…わ、わかった……。」


そんな、いきなり呼び捨てで呼べないよ。


なんて、思いながらも王子様の頼み事を聞けないはずがない。



「咲貴って、呼んでみ?」


どんどん追い討ちをかけてくる、咲貴君。



「…しょ、…しょう…き?」


思わず疑問形になって、首を傾げる私。



「…雨芽、かわい。」


そう言って、私に優しいキスを落とした。



「今だけは…、雨芽は俺が独り占め。」



今だけは、なんて言わないで。

毎日独り占めしていいんだよ。


< 83 / 275 >

この作品をシェア

pagetop