意地悪王子とお姫様


もどかしい気持ち。

おさえきれない気持ち。


どうしたらいいか分からなくなった。



「不満そうな顔してんな。」


咲貴君が笑う。



「し、してないよっ!!」


とんでもないですと言わんばかりに首を横に振った私。



「俺は、不満かな。」


「…は、い?」


ま、まさか、私の事がやっぱ嫌だって…?




「雨芽がもっと欲しい。
俺のこと好きなんじゃねーのかよ?」


「……へ?」



――足りないんだよ



そう言って、押し倒された。


< 84 / 275 >

この作品をシェア

pagetop