好きだと言って。
5
意地悪しないで
みんなに笑顔を振りまく王子がキライ。
冷たい王子がキライ。
あんのことしてた…最低なこの男が大嫌い。
「いち、お前は俺のやることに文句を言わない」
「は…」
「口答えしないってことね。」
「なんだそれ!」言い返そうと思ったのに、言葉を遮られ続けて王子は言う。
「に、用件があるとき以外は話しかけんな。」
「は…」
「ウザいからさ。」
冷たい瞳。
この人は、きちんとあたしを見ようとしない。
口調は冷たく淡々としていて無機質。
「みっつ、俺の前で泣くな。」
「はい?」
「ウザいからね。」
そう言うと、さっさと手を放された。
な…にを考えてんの?
わけがわからず、なにも言えない。
「んじゃ…本題ね。」
_