甘い魔法―先生とあたしの恋―
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「実姫さんは成績も優秀ですし、このままの位置をキープできれば幅広い大学の選択肢が……」
島田先生とお父さんの話を、半分上の空で聞いていた。
お父さんが学校にくるなんていつぶりだろう。
なんて考えながらも、この校舎のどこかにいる先生に、気持ちが勝手に飛んでいく。
想っては、考えては、頭の中に浮かんでくる先生の姿に泣きそうになる。
それは今も例外なんかじゃなくて、あたしは向かい合う島田先生に異変を感じ取られないよう、俯いた。
「お父さん、他に何か聞きたい事はありますか?」
「いえ……色々と迷惑おかけすると思いますが、よろしくお願いします」
気がつけば、二人の会話は終わったようで。
最後の挨拶に、あたしは席を立つ。
教室を出ると、次の生徒が呼ばれてすれ違いに教室に入っていった。
各々のクラスで行われている三者面談。
ぼそぼそと聞こえてくる声が、いつもの学校とは違う雰囲気を作っていて、そんな中をぼんやりしながら歩く。
そのまま校舎を出た時、隣を歩いていたお父さんが口を開いた。
「今日は矢野先生いなかったんだな」
「……―――え?」
お父さんの口から出た先生の名前に、あたしは驚いてお父さんを見上げる。
そんなあたしにお父さんも少し戸惑った様子を見せながら、話を続けた。