【短編】Horoscope*Daring〜星占いの恋人〜
「オレが遠ざけようとしても、ムダそうだし。しょーがねーから、教えるけど……
あの雪の日アンタに会う前から、オレはアンタを知ってたんだよ」
「私を、知ってた……?」
力強い腕の中にいるせいで、琉聖君の表情は見えないけど、声音はスッゴク優しいモノで。
私はされるがままに身を任せて、抱き締められたまま琉聖君の話に聞き入っていた。
「……そ。櫂たちが言ってたろ?“アレ”って」
「うん。……“アレ”って、何のこと?冬威さんも教えてくれなかったし、」
「……オレは、あんま教えたくねーけど、」
そう言って、私を解放してベッドから降りると、ベッドの下に手を入れて。
取り出されたモノは……
「―――『地域密着型 美少女図鑑』!!?な、なんでこんなのが琉聖君の部屋に……」
そんなタイトルの、雑誌みたいなモノ。
「オレが好き好んで買ったんじゃねーからな!?アイツらが置いてったんだよ!!」