十人十色-それぞれの恋- 短編集
でも、何で俺なんだ?
刹那が嫌いなら、刹那の好きな人に告白するだろ?
もしかして……
いやいや、ありえない。
刹那が俺なんか……
「亜佐美…私、あなたの彼氏取ってない」
「何よ、今更。認めなさいよ」
「取ってないわ!!彼が告白してきたの」
「分かってるわよ、あんたが悪くないことぐらい。でもずるいじゃない…刹那ばっかりモテて。刹那ばっか…」
彼女は泣き出した。
俺はいまいち状況が飲み込めず、呆然と二人を見ていた。