勇者は僧侶のなんなのさ
「でも、それじゃミュがあんまりじゃないか」


「しかしミュは恐らく内部事情を少なからず知っている。bbの悪行を止めるためにも、ミュには早く喋ってもらわないと困るのだ」


そんな事を言っているランスだが、眉間にシワをよせて俯き加減である。


これ以上ランスに言うのはかわいそうだ。


ランスにしたって今の状況が褒められたもので無いことは知っている。


ただそれを押し殺す立場にいる、その事を理解してあげなくてはいけない。


「じゃあさ、こんなのはどう?」


さっきから考えていた秘策をランスに耳打ちした。


するとランスは赤くなったり青くなったり。


面白いくらいにコロコロと顔色を変える。


「ダメダメダメ! ダメっ!」


しゃべり終わる前に否定された。


内容は過激だが、そこまでおかしな話ではないのに。


ランスは頭が堅すぎる。


「一番合理的だとおもうけどなぁ」


「そういう問題じゃないっ」


ばんっ、とランスは机を叩いた。


その勢いでペン立てが倒れる。


かっこいいだけで不便な、それでいてランスのお気に入りである羽ペンがぽろりと出てきた。


君も災難だね。
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