12月24日
「ねぇアンタ、愛が気付いてないと思った?」
コツ、コツと、近づく音。
段々大きくなる。
「あんた、愛をはめようとしたでしょう?それに引っかかったって思う?」
目の前に立った瞬間、、、
「ばっかじゃないの?そんな安い作戦に引っかかる奴なんていないんだよ!」
アタシの胸ぐらを掴む。
「翔太、アンタもばかだよね!何でアタシがこんなことしてると思ってるの?」
翔太をギロッと睨んだ。でも、翔太は何も言わない。
「何か言いなさいよ!」
「、、、、、、」
「言えって言ってるのが分からないの?」
「、、、、、、」
「何度同じコトを言わせるのよ!」
「、、、、、、」
いつまでも言いかえさない翔太。
力でふるえる愛の手。
「いいかげんにしなさいよ!!」
怒鳴った愛はアタシの胸ぐらから手を離し、翔太に近づく。
近づくとさらに顔をうつむける翔太。

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