12月24日
「ふざけるな!」
愛は翔太を押し倒した。。
「何度言えば分かるのよ?アンタなんて、、、、」
「いい加減にしてよ。」
その子は愛の腕を掴んでいた。
綺麗な黒髪を揺らす、独特な姿。
「ちょっと麗!さわらないでよ!!」
愛は麗の手を振り払った。
愛は麗を睨んでいた。でも、麗はそれを見ていないふりをして
「ユキ、もう帰ろう。一人暮らしだと、こんな暗くちゃ寂しいでしょう?」
と、そっと微笑みながらアタシの片腕を掴んだ。
でも、愛を見たときはそのほほえみのカケラもなく
「愛、アンタは許さないから。」
と、ギロッと睨んだ。
帰り道に、
「愛のコトは心配しないで。」
と、一言言っただけ。

このとき、未来が分かっていたのなら。
私はこの言葉の無理を感じていたのだろう。
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