12月24日

麗 ・ 翔太

「そんなに悪い訳じゃありません。麗さんも、翔太くんも。」
ニコっと笑う医者に対して、笑うことも、泣くことも出来ないアタシ。
代わりに返事をする舜。
「心配しなくても、一週間ぐらいで直りますよ。」
元気づけようとするも、無反応なアタシに愛想切らして
「じゃ、仕事あるので。」
と、席を立った。
「あのっ、、、、」
「はい?」
初めて口を聞くアタシに驚く医者。
「部屋、、、行ってもいいですか?」
医者は優しく微笑み
「いいですよ。2階の203号室ですから。」
と、教えてくれた。
「優しい人だな、、。」
「そうだね。」
医者の優しい微笑みにつられて、あたし達も笑い合った。
久しぶりに笑った。

数分後。
アタシ達は麗と翔太の部屋の前にいた。
「ん?」
話し声が聞こえる。
「ホントにムカツク!あの女!!次会ったら許さないんだから!」
麗?
「だよなぁ-!折角なら、牢屋に入れてあげてもいいんだよ!!」
翔太??
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