*パパはヤンキー高校生*
「わかったって言ってんだろ?」
「まったく、あんたって子はケガしてるくせに手当てもしないで」
保健室に入ってきたのは、しらけた顔の刹那さんと保健室の先生だった。
「瑠華じゃねーか、お前何でこんな……」
刹那さんは、話をピタリとやませ、私の顔をジーッと見た。
「な、なんですか?」
「お前、あれほど俺が言ったのに聞かなかったのか?」
「え?」
「熱、あんだろ?」
「柳下君すごーい!何で分かっちゃったの?」
先輩、はしゃいでる(汗)
「あれほど髪は乾かしてから寝ろと毎日言ってんだろ。どうせ昨日は、眠たかったからとかなんとかで乾かさずに寝たんだろ?」
「…うッ」
「しかしすごいや柳下君!ほんと瑠華ちゃんのこと何でも知ってるね!」
「コイツは、俺みたいのがいないとダメだからな」
「べ、別に私は!」
「ってことで先生、柳下刹那と如月瑠華は早退しまーす。担任によろしく。じゃーな増田」
「ちょ、ちょっと刹那さん!」
私は腕を引っ張られ、刹那さんに強制的に連れて行かれた。
"ガタン!"
「柳下君と如月さんって付き合ってるのかしら?」
「いとこ同士だって聞きましたよ」
「そうなの」
「だけど柳下君はすごいや。俺は…まだまだかな」
「…増田君?」
「何でもないです!じゃ、俺は行きますね」
良太の気持ちは、複雑な気持ちでいた。