溺愛コンプレックス
act.1 どんだけ甘い?
私は渋い顔をして2-Cの教室の片隅で悩んでいた。

「ツバキどしたの?」

私のおだんご頭をつついたのは親友のアキナ。サラサラのロングヘアーで一見クールな美人さん。


「ジャージ忘れた…次体育なのに」

「また忘れ物?あんた記憶力やばいんじゃないの!」

そこまで言うか?!

「すぐ忘れるし、片付けできないし、感情の起伏は激しいし、飽きっぽいし…、絵に描いたようなこのダメ女っぷり!」

「うう…厳しいお言葉…」

私は傷ついたふりをして(いつものことだから慣れてんの)隣のクラスにジャージを借りに行こうとした。そのとき…


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