溺愛コンプレックス

「おい、余計なこと言うな」

カナメが女の子を制止した。

「何…?」

無表情のカナメが私に問い掛ける。

「あの…お弁当持ってきたの、一緒に食べない…?」

私たちは裏庭に移動して、ベンチに座った。

「明日からお弁当いらないから。女の子たちが交代で作ってきてくれてるし」

カナメは冷たく言った。

「あ…そっか、ごめん…」

そんなひと言で、私は胸が痛む。


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