私とアナタと甘い嘘

友達の前に訪れる



「理穂ちゃんって、学年1位なんだよね?」


「うん。そうらしいね」


私は何の感情もなく、ただ質問に答える。


「凄いなぁっ・・・私なんかギリギリで合格したのに」


「凄くないよ。・・・ただ、両親の期待に裏切らないようにしただけ」


そう答えて、静かに窓を見つめた。


今日の朝も、あんまりスカ-トを短くするなとか


髪も清楚にしろっとか・・・


私に何を求めているかも分からないような台詞ばかり並べられた。


『おめでとう』の言葉も


なかったと思う。


「そういえばっ理穂ちゃんは何の部活に入るの?」


「え??」


そうだ。部活動があったんだ。


ここの学校は、1年生強制部活。


今まではテニスをやってきたが、高校までやるとは考えてなかった。


「まだ決めてないや。麻奈ちゃんは?」


いつもの質問返しをする。


「私もなんだ。じゃあさ、この後、部活見学しない?」


そうして、私たちは放課後、部活を見て回ることになった。








< 5 / 24 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop