私とアナタと甘い嘘
友達の前に訪れる
「理穂ちゃんって、学年1位なんだよね?」
「うん。そうらしいね」
私は何の感情もなく、ただ質問に答える。
「凄いなぁっ・・・私なんかギリギリで合格したのに」
「凄くないよ。・・・ただ、両親の期待に裏切らないようにしただけ」
そう答えて、静かに窓を見つめた。
今日の朝も、あんまりスカ-トを短くするなとか
髪も清楚にしろっとか・・・
私に何を求めているかも分からないような台詞ばかり並べられた。
『おめでとう』の言葉も
なかったと思う。
「そういえばっ理穂ちゃんは何の部活に入るの?」
「え??」
そうだ。部活動があったんだ。
ここの学校は、1年生強制部活。
今まではテニスをやってきたが、高校までやるとは考えてなかった。
「まだ決めてないや。麻奈ちゃんは?」
いつもの質問返しをする。
「私もなんだ。じゃあさ、この後、部活見学しない?」
そうして、私たちは放課後、部活を見て回ることになった。