distance~いちめーとる~
「『あんなこと』ねぇ…」
由樹はズボンのポケットに手を入れて、自嘲気味に言う。
「…俺の気持ちには気付いたんだろ?」
「……うん」
手首を掴んでいた手の熱……
あれは絶対に……
「じゃあ、お前はどうなんだ?」
「私?」
「俺はお前が好きだ。それで、お前はどうなんだ、って聞いてんだ」
私が由樹をどう思っているか。
それは、この二日間で何度も考えたことだった。
――好き?
もちろん好きだ。
でも、多分それは恋人にしたいとかそんなじゃない。
――嫌い?
小さいときから、ずっと遊んできた幼なじみなんだ。
それはない。