自分探しの旅
「もともとこの世の現実って何だと思いますか。」
吉村はそう言いながら、白いカップを皿の上に置き、見つめた。
「当たり前だけどカップは昔から存在してたわけじゃない。誰かがまずカップというものを想像したわけです。それが今こうして現実のカップの姿になっている。想像したものは現実化されるわけです。そして普通は想像してから現実化されるまでは時間的なタイムラグがある。それが今の京介さんの場合、過去と未来の境目がぼやけて時間的なズレがなくなっているんです。つまり想像したものがそのまま現実のものになっている、というわけです。」
「君はどうしてそう詳しいんだ。」
「実は私、あなたと同じような経験をしたんです。今もしてるんですが。」
吉村はそう言いながら、白いカップを皿の上に置き、見つめた。
「当たり前だけどカップは昔から存在してたわけじゃない。誰かがまずカップというものを想像したわけです。それが今こうして現実のカップの姿になっている。想像したものは現実化されるわけです。そして普通は想像してから現実化されるまでは時間的なタイムラグがある。それが今の京介さんの場合、過去と未来の境目がぼやけて時間的なズレがなくなっているんです。つまり想像したものがそのまま現実のものになっている、というわけです。」
「君はどうしてそう詳しいんだ。」
「実は私、あなたと同じような経験をしたんです。今もしてるんですが。」