自分探しの旅
『まてよ。』
「吉村君、龍さんは僕らと同じように心眼が開いているんだろう。」
「いいえ。龍仁さんのような第一級の能力者といえども『過去と現在をつなぐ思い入れが深い物がないと心眼を開くことはできない』と本人が言ってました。京介さんの大黒天や私の掛け軸のような。」
このとき京介と吉村は無雲の姿を思い浮かべていた。
「・・・小笛だ!」
二人が叫んだのはほとんど同時だった。
「あの小笛は今どこにあるんだ・・・」
京介は骨董屋で出会ったとき、龍仁が小笛を探していたのを思い出した。
「わかりません。ただ、掛け軸を手にして、そのゆかりの地を探してみたことはあったんです。たとえば円心和尚と出会った智海寺とか。」
「で?」
「それが智海寺は廃寺になっていてその所在すらわからない。」
「・・・」
「でも、私には龍仁さんの存在を感じるんです。ただ見えなくなる術をかけられているというか・・・とにかく龍仁さんはきっといる。私をつけている何者かが小笛が目的だったとしたらなおのことです。過去と現在をつなぎ止める物を奪って、完全にこの世から抹殺しようとしているのかも知れない。」
「・・・」
「吉村君、龍さんは僕らと同じように心眼が開いているんだろう。」
「いいえ。龍仁さんのような第一級の能力者といえども『過去と現在をつなぐ思い入れが深い物がないと心眼を開くことはできない』と本人が言ってました。京介さんの大黒天や私の掛け軸のような。」
このとき京介と吉村は無雲の姿を思い浮かべていた。
「・・・小笛だ!」
二人が叫んだのはほとんど同時だった。
「あの小笛は今どこにあるんだ・・・」
京介は骨董屋で出会ったとき、龍仁が小笛を探していたのを思い出した。
「わかりません。ただ、掛け軸を手にして、そのゆかりの地を探してみたことはあったんです。たとえば円心和尚と出会った智海寺とか。」
「で?」
「それが智海寺は廃寺になっていてその所在すらわからない。」
「・・・」
「でも、私には龍仁さんの存在を感じるんです。ただ見えなくなる術をかけられているというか・・・とにかく龍仁さんはきっといる。私をつけている何者かが小笛が目的だったとしたらなおのことです。過去と現在をつなぎ止める物を奪って、完全にこの世から抹殺しようとしているのかも知れない。」
「・・・」