天才少女の育て方
君の力になりたいんだ
その日は、ヨクと一緒に帰宅した。
「ヨク。いらない服ってある?」

何を言い出すのかと、驚いた様子のヨク。

「あぁ。雫くらいの時に着てた服なら、山ほどあるよ。」
「じゃぁ、それちょうだい?」

「いあ、別にいいけど・・・・」

ヨクがとりだしてきたものは、本当に男の子ぽい洋服で
ブカブカのズボン。すその長いTシャツ。

「ヨクって・・・あたしくらいのとき、グレてたの?」
「え?いや・・・流行りだったんだ。」

「そう・・・・。あ、ヨク。いらないリュックもちょうだい?」

「は?」

「この洋服が、十分に入るくらいのやつ」

「なんで、そんなの必要なの?」

その言葉に対しての、返事は無く
雫は俯いてしまった。


(・・・・ちょっと待て。事故のあった日といい、今日といい、なんだか雫の様子がおかしいぞ?)




すると、俯いたままの雫が口を開けた。
「もう、ここには居られない・・・・」

小さく、か細い声だった。

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