天才少女の育て方
「は・・・?」

「だから、変装セットをちょうだいって言ってんの。」

「ここを、出て行くってこと?」
「そうよ。」

「ちょっと待ってよ!夏休みに、まだ先の事って言ってたじゃん!」
「じゃぁ、例えば、まだまだ先の冬休みに、あたしが出て行くことになったら、ヨクはそんなこと言わない?待ってって、言わない?」

「それは・・・・」
「どうせ、答えは同じ。いつ出て行っても変わらないでしょ」

(あたしが今、どんな状況にいるか知らないくせに・・・。)

「雫・・・・・。」

最初はこんなチビ、どうでもよかったのに。

何でだろう。行ってほしくない。離れたくない・・・・――。

「雫、何かあったの?」
「何もないよ。」

「じゃぁ、何で出て行くとか言うの」
「他の居場所を見つけることにしたの。」

「嘘つかないでよ。本当の事、話して・・・・・・」
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