天才少女の育て方
そして次の日・・・・
「!?」

一人の少女が地べたに座り込み眠っていた。

(な・・・なんだ あの子・・・・。ホームレスか?いや・・・)

ヨクは声をかけてみた
「あ・・・あの・・・・君?」
彼女は、目を開けた。くりくりした大きな目で・・・・とても美人だった。

そう、彼女こそが、昨夜会社から抜けだした、池神 雫だった。

「あなた・・・・誰?」
「こっちの台詞だ。君、家どこ?」
「ないよ、そんなの。」
「家族は?」
「いないよ。」

「そう・・・・・なんだ。」
「あなた、名前なんて言うの?」
「長川ヨク。君は?」
「コード番号203番よ」
「は?」

コード番号・・・・?

ヨクは顔をしかめた。

「ねぇ、ヨク。神宮司グループって知ってる?」
「あぁ、あのデカイ会社もってるとこか。天才児の研究をしてるとか・・・・よく、知らないけどね。」
「そうよ。私はそこから来たの。というか、そこを抜けだして、ここへ辿り着いた。あの会社へは、本当に小さいころに送られたよ。毎日が、とても辛かった。」
「ね・・・どうにか名前思い出して!203番が名前なんて、おかしいよ!」

名前・・・・?
私に名前なんてあるのかしら。

あぁ・・・・・・確か・・・・・・

「池神 雫だったかな・・・。」
「いい名前だね。雫って呼んでいい?」

そういうと、雫はうつむいた。

「雫・・・?あっ、ごめん。呼び捨てイヤ?」

「・・・じゃなぃ・・」
「ん?」
「そうじゃなくてっ!」

そう言って、顔をあげた雫の顔を見て、ヨクは驚いた。

「雫・・・・泣いてるの?」

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