天才少女の育て方
こうして、雫との勉強が始まった。

雫は凄かった。
あっちで鍛えたのか知らないが、時間をキッカリ守る。

勉強の時間を、朝の9時から12時と決めれば、その時間、一分一秒ずれずに初め、そして終わる。

そして、教え方が気持ち悪いくらい上手く、苦手だったところも、怖いぐらい分かるのだ。

「雫・・・・すごい」
「は?」
「苦手がどんどん消えていく」
「だって、あたしの教え方が上手いんだもん」
「あのな・・・;」

最初は、ただのチビかと思っていた。
身長も、140㎝らしい。(体重は教えてくれないんだよな)
170の俺に比べて、はるかに低い。

そのくせ、顔可愛いし、頭いいし、運動できるしで驚くよ。

すると、お母さんが様子を見に来た。

「最近、ヨクが勉強を嫌がらないの。不思議よねぇ・・・9時前になったら、すーぐ自分の部屋に入っちゃって」

「母さん、見て分かるだろう。雫が教えて・・・・・・・・・・って、おい!」

「ん?雫ちゃん、そのゲーム気に入ったのー?」
何お前、俺のゲームで遊んでるんだよ・・・・・・・・・・・・!

(雫は、不思議だな。普通の人なら、いいところを見せようと、必死になるのに・・・)

雫はまるで、正反対。

「まっ♪中学三年生、せいぜい頑張ってね♪今年は宿題を、夏休み最終日にするようなことにはならなさそうね」

お母さんは、そう言って、出て行った。
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