天才少女の育て方

また、二人きりになると、椅子の上に雫がよじ登ってくる。
「ヨク････最終日に宿題する派なんだ。」

「お・・・・おう。」

（ん？中学三年生ってことは、今年高校受験よね？）

「高校受験･･･」
「は？」
「その分じゃ、落ちるね。」
「おいおいおい・・・もう高校のことなんか考えて････」

ヨクを真剣な顔で見つめた

「別に、今からじゃなくてもいいんだけど。早く始めた方が、自信がつかない？」
「まぁ・・・・な。」

「それに、今から始めとかないと、あたしが不安だし。」
「なんで、雫が心配しなきゃいけねぇんだよ；」
「次の居場所が見つかったら、ここを出る。いつまでも居るわけにはいかないしね。ヨクのお母さんも、きっとそう思ってる。」

「ぇ・・・・。」

自分の胸が、ズキンと鳴ったのを感じた。
でも、雫が言ってることは正しい。

いつまでも、ここに居座るにはいかないのだ。

「ま。まだ、ずっと先になるだろうけどね。勉強の続きをするよ。」