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これから先、もし先輩が
奈々に告白したとして、

奈々は私が先輩を好きって
知ってるから、

気を使わせちゃうと思う。

だから先輩を応援する、と
いうことは、外側の私は

先輩をもう好きじゃない、
っていう設定にするんだ。

だから先輩にも
謝らなきゃ。

〝まだ先輩の事
好きでいてもいいですか〟

なんて、そんなわがまま
許されない。


「 なんで急に好きじゃ
なくなっちゃったの? 」

「 それは.. 」


―それは
先輩が奈々を好きだから。


「 やっぱ1年も好きでいると
愛想尽きちゃってさ、 」


なんて嘘。

愛想なんて尽きるわけ、
ないじゃん。


「 そうなんだ.. 」


しゅんとした顔を
見せる奈々。

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