ファーストキスは蜜の味。

その日はいつもと違った。


バイトが終わると、あたしはいつもさっさと帰る。

そこは女だし、夜道を歩くのが怖いからはやく家に帰りたくてなんけど――…


「寒くない?」

「は、はい。
――…大丈夫です」

「ちゃんとつかんでないと、落っことしてくよ」

「ひぁっ、はいっ!!!!」

白石さんの腰にまわす手に力を入れた。

あたしはなぜか白石さんのバイクに乗せられて風を切るように走っている。

初めて乗るバイクは怖くて、いま体がガチガチにかたまってる。



バイトが終わってすぐ帰ろうとしたとこを白石さんに呼びとめられた。

バイクにまたがっているのをみて、全損だったんじゃ?って聞いたら、代車だって答えた。


送るよ、っていった言葉に、あたしは即座に首を横にふった。

それなのに強引にバイクのうしろに乗せ、睨む大地をシカトして走らせた。


ヘルメットはあたしがつけて、白石さんはノーヘル。


こ…っ
怖い……っ!!!!

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