ファーストキスは蜜の味。

白石さんは、笑いながらあたしの髪を触った。


「ハネてる」

「えっ、マジですか!?」

ヘルメットをちゃんとかぶってなかったせいか、あたしの髪は見事に重力に逆らっていた。

アホ毛増殖。

それをみながら、白石さんはいっぱい笑った。


「笑いすぎです」

「あはは、ごめんね。
若林ちゃんと話してると、妹みたいでかまいたくなるんだ」

「今度バイト中にアニキって呼んであげましょうか?」

「そこはやっぱり、お兄ちゃん、がイイでしょ」


笑っている奥に、悲しさは消えた。


――…よかった。

白石さん、元気になったんだ。


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