青い空、誓った想い
帰り道、並んで歩く吉野くんと私は何か話すわけでもなく、お互い無言が続いた。


先に口を開いたのは、吉野くんだった。




「井上はさ、あいつが好きなのか?」



突然、聞かれてびっくりしたけど

「あいつって?私には好きな人なんていないよ」

と答えた。


吉野くんは少し考えてから

「本当に?工藤のことが好きなんじゃないのか?」

と聞いてきた。



予想もしない言葉に焦ってしまう。



「そんなわけないじゃん。私にはヴァイオリンがあるし、今は恋愛なんてしないって決めてるの」


「でもさ突然、人を好きになることだってあるし、感情は止められない。求めなくても恋愛感情を抱く時はある」



何も言い返せなかったのは、私自身がそのことを1番分かっていたから。



「お前は工藤が好きなんだよ。自分でも本当は気付いてるんだろ?」
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