青い空、誓った想い
気付かないふりをしていたのかもしれない。


恋愛はしないと決めて、それを理由に恋愛ではないと思い込もうとしてたのかもしれない。



でも

「もしそうだとしても、私の恋は上手くいくわけないよ」



「最初から決めつけるなよ」



先生にとって私は生徒で、年齢だって10歳以上違う。

この気持ちは大切に心の奥にしまって、ヴァイオリンに集中した方がいい。



「先生が私を相手にするわけないし、別にいいの」


「良くないし。自分の気持ちに正直でいないと、絶対に後悔するよ」




前に美優や香奈にも同じようなことを言われたのを思い出す。




家に帰ってから少しだけヴァイオリンを弾いた。


目を閉じて『愛の悲しみ』を弾いていたら、先生が宮本さんと会話する姿が浮かび、胸が締め付けられた。


そして、吉野くんの言葉に1つも間違いがないことを確信した。
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