春夏秋冬



涙が溢れてきた。


だって、あたしの唇は春哉だけのだから。


違う人にキスされたのは、


悔しくて今すぐにでも春哉に抱きしめてもらいたかった。


でも、あたしから求める事はできなくて。


プライドが、邪魔した。


「さっ、春哉に電話してくれないかな?」


男は携帯を持って、あたし見せ付ける。


「…絶対やだ!!」


倉庫中にあたしの声が響き渡る。


どうやらあたしは、思ったより声がでかいらしい。


「じゃあ、この写真がどうなってもいいのかな?」


総長の携帯には、さっき無理矢理キス


された写真。


うそ・・・いつのまに!?


こいつ、許さない。




< 75 / 166 >

この作品をシェア

pagetop