春夏秋冬
まだ、日はある。
足元が暗くてよく見えないけど、
春哉があたしを引いてってくれる。
暖かい手。
愛されている証拠。
「ついたぞ」
顔を上げた先には、声にも出ないほどの夕日。
水平線で太陽が隠れていく。
春哉と一緒に見れたことが
どんなことより嬉しくて、
思わず、涙する。
「おいっ、何で泣いてんだ?」
春哉の両腕はあたしを抱きしめている。
「だって・・・春哉と見れたから。
春哉と見れたことが、嬉しい」