君の瞳に映る色
「へぇ~、へぇ~、
あたしにとっては大事なのに
俊はどうでもいいって事?
…あたし絶対帰らないからね!
バカァ!!」

勢いよくベッドに倒れこんで
布団をかぶる。
呆気にとられて見ていると
いつものことだからと玲が言う。

ごめんね、となぜか俊が
棗に謝った。

絢のいた場所に玲が座ると
微かにシャンプーの香りがした。

濡れた髪をタオルで拭く玲に
紹介してよ、彼女と俊が言った。


紹介され頭を軽く下げながら
棗はまた俊を見た。

「俊は人間だよ。見ての通り」

棗の視線に気づいたのか玲が
言ってくる。

俊は相変わらず穏やかな笑顔で
棗に、ヴァンパイアなの?と
聞いた。

「いえ、わたしは、人間です」

不思議な会話だと思いながら
棗は答えた。

大学で出会ってデキ婚したんだ、
と玲が棗に説明してくれた。
言葉は聞いたことのあるデキ婚を
棗は何となく頭で想像する。

「チビたち元気?」

元気すぎるよ、と俊は
困ったような顔で笑う。

たまには顔見せろよと言う俊に、
気が向いたらと玲は肩を竦めた。




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