君の瞳に映る色
玲が何も言えないでいると、棚の
間の通路を男性が通り過ぎる。
不思議そうにこちらをチラリと
見る男性を見送りながら、
背中を手で押して棗を促すと
図書館を出た。
無言でスーパーまでの道を歩く。
繋がれていない右手を
棗は寂しく感じた。
なんであんなことを
言ってしまったのか頭の奥で
理解していても
認めたくなかった。
櫂斗との事がたとえ
破談になってもいずれ家の為に
誰かと結婚するという事実は
変わりない。
持つだけ無意味な気持ちだった。
少し先を行く玲の背中を
見つめる。
苦しい。
さっきとは別の痛みが胸を刺す。
涙が零れないように
棗は顔を上げた。
歯を食いしばって涙を堪えながら
静かに玲の後を追った。
間の通路を男性が通り過ぎる。
不思議そうにこちらをチラリと
見る男性を見送りながら、
背中を手で押して棗を促すと
図書館を出た。
無言でスーパーまでの道を歩く。
繋がれていない右手を
棗は寂しく感じた。
なんであんなことを
言ってしまったのか頭の奥で
理解していても
認めたくなかった。
櫂斗との事がたとえ
破談になってもいずれ家の為に
誰かと結婚するという事実は
変わりない。
持つだけ無意味な気持ちだった。
少し先を行く玲の背中を
見つめる。
苦しい。
さっきとは別の痛みが胸を刺す。
涙が零れないように
棗は顔を上げた。
歯を食いしばって涙を堪えながら
静かに玲の後を追った。