君の瞳に映る色


後から入ってきた凛子の傍に
女性を抱えている一色が
立っている。

「どうしたんだ?その女は」

「拾った」

笑いを含んだ一色の声に
櫂斗は眉を寄せた。

「半端なヴァンパイアの女に
興味はない、好きにしろ」

「櫂斗さん!!」

踵を返そうとした櫂斗の服を
棗は掴んだ。

冷たく光る瞳が棗を見下ろす。

「指輪はどうした?」

「彼女を放して」

話が噛み合わないまま
視線がぶつかる。

睨み合っていたが不意に櫂斗は
表情を緩めて、
「助けて何の得がある?」と
聞いた。

櫂斗が何を言わせたいのか
わかった。




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