ケツ子の恋物語【被害妄想彼氏 番外編】
「違うの!修司くんっ!!
私が好きなのは…修司くんと、真知子ちゃんと、慎一さんだけなのお!!」
「…それ、『だけ』って言わないんじゃ…」
力が言う。
「あんたは黙ってて!」
ケツ子が力を睨む。力はただ笑うだけだった。
しばらくして、真知子が目を覚まし、ケツ子は真知子に謝る。
修司と真知子は帰ると言うので、ケツ子も帰ることにした。
「じゃ、お邪魔しましたー」
修司と真知子は先に出る。
「柏原先輩」
力がケツ子を呼びとめる。
「何よ」
ケツ子は低いトーンで返した。
「修司先輩の事、好きなんですよね?
二人が結婚って…辛くなかったんスか?」
珍しく(?)真面目に力が話す。
ケツ子はため息をついた。
「そりゃ、辛いわよっ。でも、真知子ちゃんも好きだから…いいの。」
ケツ子は笑った。
「へえ。柏原先輩って、意外に物分りいいんスね」
「それってどーゆー意味よお!」
ケツ子にお腹を殴られた力。
でも、びくともしなかった。