世界と僕は戦っている きっと世界が勝つだろう
「そりゃあさ、訳わかんない事多いよ!
親も先生も進学しろ、将来を考えろ、後悔するような選択はするなって言うけど正解なんて分かんないじゃん!
友達だってどこまで仲良いかなんて分かんないし!
メール1つ返信し忘れたら次の日からシカトなんて当たり前だし!」


 きっと感情に任せて吐き出しているんだろう。
 溢れる感情が思うように言葉にならなくてもどかしそうに言葉を紡いでいる。

 感情だけで叫ばれた言葉。
 言葉の意味以上に森川の気持ちがダイレクトに伝わってくる気がした。


「あの子がやったこと…それで楽になって…救いになったと思えたら私の気持ちだって楽になるかと思ってた。
…だけど、ダメ、そう…思えない」


 もうこれ以上を吐き出すのは難しいのだろう。
 最後の方は嗚咽でかき消えていた。

 俺はどう言って慰めれば…いや、言い繕えばいいか分からずただ俯き肩を震わせる森川を見下ろすだけ。


< 8 / 14 >

この作品をシェア

pagetop