エースナンバー



「クサい…?」

「うん、クサい」

ニコリと笑ってそいつが頷いた。



嫌なやつ…

  □


「俺は美空 夏。
で?本当はなんで大阪に進学したの?」

野次馬たちが去っていき、再び前席のやつが話しかけて来た。


「……」


「…麻生くん?」


「……」


「もしかして…口聞かないつもり?」


首をかしげて美空が呟く。





――こいつと話すと、イライラする。


「ふーん…意外と子供っぽいんだね」

目を細め、美空は俺を嘲笑するように見て、意味深に呟いた。




「きっと…嫌でも俺と話したくなるよ」



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