エースナンバー
「俺、麻生玲音。
入部希望。」
スッと横目で男に言い放つ。
俺より低い男は、困ったように頬を掻いた。
「ポジションは?」
「ピッチャー。
ちなみにマックスは140キロ」
「…ふーん」
男の瞳が冷静になる。
「おっきいけど…
身長は?」
「184cm…」
「体重」
「初対面で聞くなよ。
俺が女だったら、あんたボコボコだぜ?」
「うるさいな…
お前は男だろ?」
ギロリと男の視線が鋭くなった。
「72キロ」
「軸もしっかりしてるみたいだな…よし、こっちこいよ」
「投げれんのかよ?」
「まずはその格好着替えろ…制服じゃできねぇだろ?」
男は不器用そうに笑った。