エースナンバー
俺の一言に上杉が止まる。
「…ぶはっ!」
――!!
上杉が突然うずくまり、肩を震えさせた。
「おい…!」
「ぶっ…くっくっくっ…」
隠った笑い声が聞こえる。
上杉がドアを叩いた。
「なんだよ!」
「ヒーっ!悪い…ぶっ!
俺…あっは…笑い上戸で…くっ」
涙目で俺を見ると、口を押さえて笑い始める。
「……殺す」
「あっはは!
悪かったって…だってお前…かっこいいんだもん」
ニッと…上杉の白い歯が笑う。
「かっこいいって…」
「でもな…」
――…?
「あいつは簡単に越せないぜ?」
ニヤリと勝ち誇った笑みで上杉が笑った。