空想リフレクション
美術の時間。

色はまとまった。

彼の絵は描かれた。


窓を開く。


本当はずっと望んでいた風に吹かれる。

水色のマフラーがほどける。

そのままユキノは窓からおちていった。

おちていった。

おちていった。



だからもう花壇は単色ではなく、彩りのある花が咲き乱れ、ユキノは包まれるようにおちた。



差し伸べられた手をとる。

一度感じたことのある温もり。

どれだけが込められているかもわからない。



世の中はうまく回らないかもしれない。

季節は巡った。


 ~おしまい。~
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