アキちゃんと雪だるまくんのお話
しかし雪はまだ降り続いていて、夜になって空気はいっそう静寂と厳格に包まれました。
アキちゃんの体はすっかり冷えきっていましたが、それでも寒さはさらにアキちゃんの体温を奪っていきます。
コートも手袋もマフラーも帽子も濡れてしまって、もうほとんど役に立たない状態でした。
「平気?……早く帰ってくるといいね……」
言葉からも温もりが剥ぎ取られてしまいそうでした。
むなしさの中にアキちゃんのうなずきだけが動きます。
ときどき吹く氷柱のように突き刺さる風が空気をさらに尖らせます。
静かに舞い落ちる雪は、時間をゆっくりにしているようにも感じました。
「歌を唄おう。ほら、雪やこんこ、あられやこんこ・・・」
雪を縫いながら淡い夜に響く声は、アキちゃんに届いているのでしょうか。
俯きながら少し体を揺らすアキちゃんは、寒いのか、笑っているのか、それとも泣いているのか、わかりませんでした。
握りつぶしたビニールのように縮こまって、全身をガタガタと震わせながら両親の帰りを待つアキちゃんに、ユキは何もしてあげられないことを、ただただ哀しく想いました。
あたためてあげたい、抱きしめてあげたい。
けれど、ユキは雪でした。ひんやりとした雪でした。
「ごめんね・・・なにもできなくて・・・」
アキちゃんは首を持ち上げて横に振りました。
頭と肩に積もった雪が重みをもち、音を立てて地面に落とされました。
アキちゃんの体はすっかり冷えきっていましたが、それでも寒さはさらにアキちゃんの体温を奪っていきます。
コートも手袋もマフラーも帽子も濡れてしまって、もうほとんど役に立たない状態でした。
「平気?……早く帰ってくるといいね……」
言葉からも温もりが剥ぎ取られてしまいそうでした。
むなしさの中にアキちゃんのうなずきだけが動きます。
ときどき吹く氷柱のように突き刺さる風が空気をさらに尖らせます。
静かに舞い落ちる雪は、時間をゆっくりにしているようにも感じました。
「歌を唄おう。ほら、雪やこんこ、あられやこんこ・・・」
雪を縫いながら淡い夜に響く声は、アキちゃんに届いているのでしょうか。
俯きながら少し体を揺らすアキちゃんは、寒いのか、笑っているのか、それとも泣いているのか、わかりませんでした。
握りつぶしたビニールのように縮こまって、全身をガタガタと震わせながら両親の帰りを待つアキちゃんに、ユキは何もしてあげられないことを、ただただ哀しく想いました。
あたためてあげたい、抱きしめてあげたい。
けれど、ユキは雪でした。ひんやりとした雪でした。
「ごめんね・・・なにもできなくて・・・」
アキちゃんは首を持ち上げて横に振りました。
頭と肩に積もった雪が重みをもち、音を立てて地面に落とされました。