アキちゃんと雪だるまくんのお話
その後ろに小さな足音が聞こえてきました。

アキちゃんの友達のハルくんのものでした。

ハルくんはうずくまっているアキちゃんを見つけると、驚いて駆け寄っていきました。

「アキちゃん、どうしたの!?お家に入れないの?」
「ハルくん・・・うん、お父さんとお母さんがまだ帰ってこないの」

濡れた顔から消えそうな声を聞いたハルくんは、湿った帽子とマフラーを自分の帽子とマフラーと取り替えました。
そして隣に座ると、左手でアキちゃんの肩を抱き寄せ、右手で顔をなでて胸にうずめるように促しました。
アキちゃんとハルくんはそこにある温度を大切にわかちあいました。

「もう寒くないよ」
「・・・あったかい。・・・ありがとう」

その2人の様子を見ていたユキも、あたたかさを感じました。
けれどそれは今まで感じてきたものとは少し違っていました。
寒い冬にココアを飲むようなあたたかさではなく、窓ごしにわかる陽だまりのようなあたたかさでした。
そしてそこには確かな温もりがありました。
とても不思議な気持ちになりながら、ユキの表情をつくっていた染まった部分は混ざり合って溶けていきました。
アキちゃんをおんぶすることもできないくらい小さくなって、そして傍にいるということを想ったユキに、もしかしたらという不安が落ちてきました。

アキちゃんの隣にはハルくんがいて、ハルくんの隣にはアキちゃんがいて、理由のない自然な笑みが2人に浮かんでいました。


雪は降り止みました。
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