ようこそ! 魔破街へ
「じゃあ…」

オレは渇いた声を出した。

「…オレや親父も、『犯罪遺伝子』を受け継ぐ者なんですね」

ムメイの表情が、苦悩の色に染まった。

「…ああ、そうだ」

消え入りそうな声、だけどしっかりオレに届いた。

「オレの…身内は一体何をやらかしたんです?」

「…本来なら、機密事項になるんだがな」

そう言ってムメイは立ち上がり、小さな机の引き出しから、雑誌サイズの茶封筒を取り出し、ちゃぶ台に置いた。

「―そこに書かれているのが、真実だ」

オレは…封筒に手を伸ばした。

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