月と太陽の事件簿10/争いの樹の下で
そして左手に2本、右手に1本ジュースを持ったまま椎名に両手を差し出すと、椎名は右手からジュースを取った。

「江川って、けっこう器用だな」

残った2本の内から、天堂がジュースを受けとりながら言うと、5人の間に笑いが起こった。

「俺にもできるかな」

椎名は江川の真似をしようとした。

馬場のジュースを借りて左手で2本のジュースを持とうとする。

しかし上手くいかず、椎名はジュースを2本とも落としてしまった。

「すまん、馬場」

椎名は謝りながらジュースを馬場に返した。

「いや、別にいいよ」

馬場はそう言ったもののへこんだジュースの縁を見て、顔をしかめた。

「僕のと交換してあげようか?」

そう申し出たのは天堂だった。

「悪いな」

馬場は天堂とジュースを交換した。

「じゃ江川、ごちそうさん」

馬場はジュースを開けると、口をつけた。

他の3人も同様に蓋を開ける。

すると突然、馬場が苦しみ出した。

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