続・憂鬱girl
広くて力強い腕の中、あたしはそれを振り解く事もなくカチカチに固まる。
「…そーしてろ」
耳元で囁く甘い声に、正直金縛りにあってしまったみたいに動けなくて、心臓の音だけうるさくて。
「おまえは俺の傍にいる以外に選択肢はねーんだよ」
ああ、もう、この俺様をどうにかして下さい。
そう思うのに、
「じゃねーと、今まで我慢した意味ねーだろが」
切ない位、甘い声と、苦しい位、優しい瞳に、
「秋、人さん」
逆らえる筈なんて、ない。
「秋人でいい」
「…無理です」
だって、
「…勉強しろよ」
あたしはもう、この人のこの最上級の甘い俺様ぶりの
「…はい」
きっと、手の内。
Fin
