永遠の片想い
「絵里奈…っ」


私の好きな人が佳祐だと知った時、先輩はどんな気持ちだったのかな。

名前こそ出さなかったけど、佳祐の事を何度か相談した事はあった。


"私もあんたが大好きなんだよ"


その意味がわかった今、泣きながらそう言った先輩の言葉が、素直に嬉しかった。

だけど−−…


「私、佳祐の事忘れるつもりはありません」


忘れられるわけないじゃん。


「忘れられません」


だって、確かに一緒にいたんだから。

右手の薬指に光る佳祐にもらった指輪を握りしめ、真っ直ぐに佳祐を見つめる。


「佳祐、好きだよ。私の気持ちまで否定しないでよ」


そう言って背を向けた私は、その場を離れた。
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